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2012年2月

2012年2月13日 (月)

「星雲星団ガイドブック」の話

このところ、すっかりご無沙汰しております。

本年もちびちびと更新していきますので、よろしくお願いいたします。

信州の冬はとても寒く、星雲星団観望のための遠征はひとまずお休み状態になってます。

こんなときの楽しみは、次に狙う星雲星団の「みもの」の物色です。

以前、ちょこっと書きましたが、星雲星団のガイド本は、日本のものよりも米国のほうが充実してます。

英語なので、少し敷居が高い面もありますが、読んでみるとなかなか面白いものですよ。

日本のファンの間で特に有名なのは、米国Willmann-Bell社The Night Sky Observer's Guide(以下NSOG)でしょう。

第1巻から第3巻までありまして、1巻は「秋冬編」、2巻は「春夏編」、3巻は「南天編」です。このうち家にあるのは1巻と2巻です。

この全3巻を合わせると、何と約八千近く(!)もの星雲星団・二重星などが掲載されていて、その見え方が書かれてます。

私の使っている「全天恒星図」には、とても全部見切れない位、たくさんの星雲星団が載っているんですが、NSOGはその(たぶん)全てをカバーしていて、さらに「全天恒星図」にないものも数多く載っている、というすごい本なわけです。

これだけ大量だと、気軽に観望に携帯するガイドブックという域ではなくて、家で辞書的に使う「図鑑」という感じですね。本のサイズも「図鑑」並みにデカくて、分厚いし・・・。

NSOGは星座ごとに章立てされてますので、私はとりあえず、その時期に見えている星座を一つ選び、「全天恒星図」に載っている対象を片っ端から読む方式で「紙上観望」をしてます。

「全天恒星図」に載ってないものは、(たぶん見切れないので)省きます。

要するに「つまみ食い」ならぬ「つまみ読み」をしているわけです・・・。

この本には写真も数多く載ってますが、私が気に入っているのは星雲星団の「スケッチ」です。

「白地に黒」で描かれてますから、実際のイメージとは白黒逆ではありますが、これが臨場感あるんですよね。

それぞれのスケッチには「どの口径の望遠鏡で、何倍で見たときのスケッチか」についても書いてありますが、それにしても皆さん、でっかい望遠鏡で、倍率思いっきり上げて見てますね~。

私は星雲星団を「口径25cm、倍率142倍」で見ることが多いんですが、そんなのは可愛いもんです。

200倍以上の倍率はザラで、中には「口径50cm、倍率315倍」で観た銀河のスケッチがあったりします。

惑星ならまだ分かりますが、星雲星団相手にこの倍率・・・。何だかもの凄いことになってます。

日本のガイドブックでは「星雲星団は30倍から50倍で見るのがいい」なんて書いてあるのがありますが、この方々はとてもそんな倍率では見てないですね・・・。

NSOGの巻末には、スケッチをした方々、写真を撮られた方、また星雲星団のガイド文を書かれた方々の写真が載ってます。

みなさん、どでかい望遠鏡と一緒に楽しげに写真に納まってまして、いかにも「人生楽しんでます」という感じです。

日本で言えば、双望会の会場にふさわしいような方々であります。たぶん、違和感なく溶け込むでありましょう。なぜか雰囲気似てます・・・。

ところで、私が気に入っている星雲星団ガイドがもう一つあります。

Cambridge University Pressの"Deep-Sky Companions"(以下DSC)というシリーズであります。

読んでいるのはこのシリーズのうち、The Messier Objects(David H. Levy、Stephen James O'Meara著)と、The Caldwell Objects(Patrick Moore、Stephen James O'Meara著)の2冊です(とりあえず)。

このThe Messier Objects、The Caldwell Objectsは名前のとおり、それぞれメシエ天体、カルドウェル天体のガイド本です。

カルドウェル天体というのは、メシエ天体とカブらない、明るめの星雲星団を全天から集めたカタログで、いわば「メシエ天体をぜんぶ見た人が、次に挑戦するとよい、お勧め天体」を集めたものなわけです。

本の特徴ですが、一つの星雲星団に関する記述が、NSOGより遥かに長ですね・・・。

NSOGは一つ一つのガイド文が短いので、説明に使われる語彙もそれだけ限られてます(繰り返し出てくる単語も多い)から、読みやすいですが、DSCは文章が長く、(私にとっては)知らない単語も結構出てきますので、電子辞書が手放せません・・・。

そんなわけで、かなり歯ごたえがある本になってまして、ちびちびと読み進めてます。

これまで読んだところでの印象ですが、この本は「星雲星団が何の形に見えるか」という点にこだわっていて、「著者にはこんなふうに見える」という点が強調された多彩なスケッチ・・・イコツの手だったり、コウモリだったり、ロケット型宇宙船だったり・・・が載ってます。

こういう趣向も面白いですね。

著者によれば、「何の形に見えるかという点に注意深くなれば、例えば新星が出現して星の並びが変わっている、というような点にも気づきやすくなる、という実利がある」とのことです。

なるほどな~。まぁ、私はただボーっとみているだけだから、「よっぽど明るい新星(とか超新星)」でないと気付かんと思うけど・・・。

そんなわけで、結構面白い本なんですが、一つ許しがたい点が・・・。

私の最も気に入っている星雲星団の一つ、夏の「銀砂の固まり」11が、こともあろうに「ダニ」に見える、というのだ!

あのねぇ・・・。こんなに綺麗な星団に「ダニ」はないでしょ・・・!

Tickという単語に他の意味がないか調べて見たけど、本に出てるスケッチはまさに「ダニ」の姿なわけで・・・。間違いないよねこれ。

それにしても著者のStephen James O'Mearaさんは、星雲星団をいろんなものに見立てる天才ですね(「ダニ」は賛成できないけど)。

この方は以前、米国の天文雑誌“Astronomy”で、その「才能」を発揮して面白い特集をしたことがあって、強く印象に残ってます。

いわく、「春にはメシエマラソンがあるけど、秋にはそういうものがないので、秋バージョンの星雲星団めぐりを提案したい」ということで、109の星雲星団をピックアップ。

「秋」ということで、その名もハロウィンに合わせ“The Ghost Hunt”と名づけた星雲星団めぐり特集を組んだわけです。

「幽霊狩り」の名前にふさわしく、例えばカシオペア座のNGC7789散開星団は「叫ぶガイコツ星団」なんて名前になっていて、観望者=ゴーストハンターが使う望遠鏡は「ゴーストキャッチャー」、フィルターは「ゴーストビューワー」全てハロウィン風味・・・。

記事そのものは、なかなか面白かったのですが、夜、そんなのばかり想像しながら星雲星団めぐりをするのは少~し気味悪く、いまだ実践には至っていません・・・。

ともあれ、そんなわけで、凍てつく冬の夜は、雑誌やガイドブックで「みもの」の物色をしてたりするのです。

若干、「おたく気味」にではありますが・・・。

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